オフィスに人が集まる、って何のためでしょう。
コロナで急激にリモート化が進み
もうオフィスなんか要らないのではと囁かれる時代だからこそ
ここだったら行きたくなる!と思える場所ができました。
ミエラボという場が中心です
そこでは、社外の方々とつながって
コラボレーションをします。
つながり方は、リモートでもリアルでもありです。
そこに社員が集まり、新しい考えに触れることで
いつものメンバーで話すよりも新しい発想が生まれる。
新しいことをやってみようとして、隣の R&Dですぐに実験できる。
いつも何かが起こるかも知れない!
と思えるこんな場所があったら
社員だけでなく、関わる人みんなが寄りたくなると思いませんか?
ちょうど、楽しい飲み会で
いま帰っちゃったら、この後面白い話があると思って、ずっと居てしまうように。
そんな彼らの思いに応えて
常に変化が起きそうな
ダイナミックで流動性を感じる空間をデザインしました。
このワクワクを、まず社員が感じ
それが社外に伝搬し、ますます人が集まってくることこそが
これからの時代のブランディングかなと思います。
この新社屋が、三重化学工業さんの
ますますの発展に寄与しますように!!
三重化学工業さんは、ぼくの故郷、三重県松阪市の伸び盛りの保冷剤メーカーさんです。
彼らの新しい試みに貢献できて
感激も一際大きいです
空間デザインは、ブランディングのお力になれると
この仕事を通じて確信を持てました。
<設計の技術>
理想に燃える社長さんが取得したのは
倉庫のような、ガラーンと広い空間の物件でした。
解放感はあるが
自然光が入るのは、窓の近くだけという特徴を
どう使いこなそうか、悩んでいらっしゃいました。
そこで、人が集まるミエラボや、数人で集まるカフェのような商談コーナーなど
快適に過ごしたい場所を、用途を決めすぎない縁側のような場所として
窓の近くに配置しました。
さらに全体を大きなワンルームと捉え、間仕切りを最小限として
光や風が中央部までまわるように配慮しました。
そのワンルームを、人の背丈程度の家具で緩やかに仕切り
一体感を保ちながら
それぞれの場所を特徴づけました。
集まる場所、チーム仕事をする場所、会議する場所、少人数で話す場所、一人になる場所など、様々な人の立ち居振る舞いに対応したしつらえをつくっています。
元は小部屋に区切られた建物ですので
ワンルームにすることで、法的な扱いが変わります。
遵法性を保ちながら、大胆に間取りを変更することには
法律、技術に精通した建築士ならではの知識と経験を活かしています。
<完成後の様子>
ミエラボを拠点に、新たなコラボレーションや
県内の学生への体験機会など、次々に発信をし
全国から視察が訪れ、その度に新たなコラボを生んだり
全国紙でも取り上げられるなど、注目を浴びています。
地方の中小企業が発信力を高めることで
新たな仕事を生み出すことにとどまらず
地元での認知も高まり、就職したい学生が増えます。
そんな善循環が、地方に活力を生み出す力になることを
三重化学工業さんは、身をもって示してくれています!
- 用途 : 事務所
- 所在 : 三重県松阪市
- 延床面積 : 890.0m2
- 設計期間 : 2021
- 竣工写真撮影:須川ラボ